記事一覧

既往借入の借換え・一本化に保証を利用できるか

既往借入について、信用保証協会保証付融資で借換え・一本化を行うことができるか知りたい。

信用保証協会では、保証付きの既往借入金を借換え・一本化するための借換保証制度を用意しているが、保証付きではない既往借入金を含む借換え・一本化については、原則として対応していない。

信用保証協会の承諾なく借換えた場合は保証免責もあり得る
約定書例においては、金融機関が信用保証協会の事前の承諾なしで保証付貸付金をもって既存貸付の一部または全部の償還に充当することを禁止している。当該金融機関の既存の債権であれば、保証付きであるか否かを問わず、充当することを認めていない。この充当行為を旧債振替といい、これに違反した場合は保証免責となる。信用保証協会では、保証付きの既往借入の借換えについては借換保証制度を用意しており、例えば保証付きの既往借入金が複数存在している場合、これらを一本化して借換えし、中小企業者の月々返済の軽減を図る等、保証付きの既往借入の借換えに応じている。

また、例外的な扱いではあるが、旧債振替が中小企業者の利益のために必要と判断され、これを事前に信用保証協会が特別に認め、信用保証書の条件欄に表示した場合は対象とすることがある。例えば、保証付借入金で高金利債務を回収するなど、企業の存続、伸張発展のための資金として考えられる場合である。このように事情に応じて保証をしているため、金融機関としてはあらかじめ信用保証協会に連絡、相談を密にする必要がある。単に債権保全の観点から新しい債権に信用保証協会の保証を付けて、既存の債権を消滅させることのないよう注意すべきである。

事業転換に保証を利用できるか

商売換えをするための転業資金についても信用保証を受けることができるか。

保証対象事業(業種)を行ってきた者が行う転業資金も原則的に対象となっているが、転業計画がしっかりしたものであることは言うまでもなく、客観的にみてすでに事業に着手していることが明らかである必要がある。なお、実際の商売換えは、従来の事業を継続しながら新たな分野へ進出(事業の多角化)をする場合が大半であると思われる。繰り返しになるが、多角化であっても事業に着手している必要がある。

業歴に関係なく保証検討は可能
中小企業が経済環境の変化等に対応していくためには、現在営んでいる事業を充実させるか、あるいは事業転換や新分野への進出を進める積極的な事業展開が必要となっている。信用保証協会は保証対象事業(業種)を行ってきた者が、事業の転換、多角化をはかる場合に必要とする資金の借入を信用保証の対象として取り扱っている。しかし、全面的な事業転換の場合は転換計画が信用保証の大きなよりどころとなるので、その計画について厳格な審査が行われる。また、転換先の業種が信用保証対象業種であることが絶対に必要である。

新規の事業資金に保証を利用できるか

これから新規に事業を始める者でも信用保証を受けることができるか。

他の保証要件を満たしていれば、業歴に関わらず保証対象になるが、客観的にみてすでに事業を着手していることが明らかである必要がある。事業に未着手である場合は、創業関連保証または創業等関連保証以外の保証は利用できない。

事業着手が前提条件
保証を利用できる中小企業者の資格に業歴要件はないが、信用保険の要件として、客観的にみてすでに事業に着手していることが明らかな者でなければならないこととなっている。この「客観的に事業に着手していることが明らか」な場合としては、次のような例が考えられる。

①営業活動を実際に行っている場合
②工場・店舗等の建物が完備しているか、または建設中である場合
③材料・商品等の仕入が終了しているか、または仕入中である場合

このほか、会社等法人については登記等法人格の取得が必要であり、許認可事業については、現実に許認可を受けているか、または申請中であって許認可を受けることが確実であるか、許認可を受けるうえで必要な建物の建築許可を受けているか、必要不可欠な設備機器等を正式に発注済みであるか等の要件のいずれかを満足するものでなければならない。このことは、事業を多角化する場合にもあてはまる。事業計画だけでなく、客観的にみて事業着手していなければ、保証を受けることはできない。ただし、事業未着手の場合でも、創業関連保証または創業等関連保証に該当する場合は例外的に取り扱うこともできるので、詳細は創業関連保証・創業等関連保証の項(設例160)を参照されたい。

外国人でも保証を受けることができるか

外国人も信用保証を受けることができるか。また、保証を申込むときになにか特別の条件があるか。

原則として、出入国管理および難民認定法(入管法)および出入国管理および難民認定法施行規則(法務省令)により本邦において事業活動の制限を受けていない者に限り保証の対象となる。

対象制限が設けられている
信用保証制度はわが国の中小企業の育成、振興を図る制度であるから基本的には日本の中小企業者であれば信用保証の対象となる。しかしながら、一口に中小企業といっても、営業目的、出資の状況、構成員など内容は千差万別で信用保証の対象とならないものも存在する。

そこで、信用保証制度の保証対象の規範ともいえる中小企業基本法ないしは中小企業信用保険法をみるに、日本国籍を有しない者に関する定めは見当たらないが、保証制度の円滑な運営を図るため、各信用保証協会ではそれぞれ独自にその保証条件を別途定めている場合もあるので、個別に各協会に確認されたい。一般的には、出入国管理および難民認定法(入管法)および出入国管理及び難民認定法施行規則(法務省令)により本邦において事業活動の制限を受けていない者を対象とし、外国人登録証明書もしくは外国人登録原票記載事項証明書に記載された内容を確認することとなる。

【主な確認内容】
①姓名
②生年月日
③国籍
④住所
⑤事務所の名称および所在地
⑥在留資格
⑦在留期間
⑧上陸年月日

一般的に企業経営をする場合の在留資格は「投資・経営士という扱いになるが、在留資格に関する運用は各信用保証協会によって若干異なるので、具体的な運用については、保証を受ける予定の信用保証協会に確認されたい。なお、外国会社に対しても、中小企業者等一定の資格を有する場合は保証対象となる。ただし、取扱上の基準が別途あるため、この点についても、信用保証協会にあらかじめ確認されたい。

過去に保証付貸付の返済が延滞していても、追加保証の対象となるか

過去に信用保証付貸付の返済が滞った履歴がある場合、新たな信用保証の申込ができるか。

過去の延滞履歴のみをもって保証の利用を断られることはない。ただし、保証申込時点で期限経過している、もしくは約定返済に延滞が生じている場合は、そのままの状態で新たな保証を受けることはできない。

延滞履歴のみで判断しない
信用保証協会では、人的信用の補完として、中小企業者との相互信頼関係に基づき信用保証を行っているので、債務者の債務不履行は、この人的信頼関係を著しく損うもので、協会を害するばかりではなく、一般金融ルール上からも、かかる場合は新たな与信が行われないのが通例である。したがって、新たな保証を受けるについては、既存の被保証債務が約定どおり履行されているか、もしくは完済されていることが前提となる。しかし、過去において一時的に債務不履行状態があったからと言って、その事実のみで新たな保証を受けることができないという判断にはならない。

新たな保証を受けようとする時点で債務不履行があった場合、その態様にも「債務不履行、即、代位弁済」というケースから「一時的な金繰齟齬のための一時的不履行」に至るまで各種のケースがあげられ、協会の中小企業者に対する助成援助の公共的使命と役割から対応せざるをえない点にも鑑み、個々の事情について検討を要する問題でもある。これらの場合、債務者が、倒産、支払停止など回復見込みのない場合を除き原則的には支援が継続されるから、協会と相談のうえ取扱うべきである。この種の一般的ケースとしては実質的に、弁済期限の延期、保証付貸出の更新、継続等により対処可能のものが多いから、まずこれらの条件変更手続を完了したのち、改めて新たな保証申込を検討すべきである。

その他信用保証協会の保証を受けられない場合とは

信用保証協会の保証を受けられない場合とはどのようなときか。宗教法人・学校法人のほか、農林漁業、遊興娯楽業のうち風俗関連営業、金融業、NPO法人を含む非営利団体、中間法人、LLP(有限責任事業組合)等は、原則として信用保証協会の保証を利用することはできない。それ以外にも、信用保証協会が保証するのは適当ではないと判断した業態は、信用保証協会の保証を利用することはできない。

利用できない主な事例
規模要件、業種要件、区域要件を備えているものであっても、次のような場合は信用保証協会の保証を受けることができない。

(1)信用保証協会との取引の内容
・原則として信用保証協会の代位弁済先の主債務者(法人の代表者を含む)で、信用保証協会に求償債務が残っている場合

・信用保証協会が金融機関から事故報告を受領した保証先で、事故事由が解消していない場合

(2)金融取引等の内容
・銀行取引停止処分を受けている場合(原則として1回目の不渡りを出して、6ヵ月を経過していない場合を含む)。なお、法人の代表者が銀行取引停止処分(1回目の不渡りを含む)を受けている場合、当該法人も原則保証利用不可

・原則として破産、民事再生、会社更生等法的整理手続中または内整理等私的整理手続中の場合(それぞれ申立中の場合も含む)

・借入金(信用保証協会の保証付融資、金融機関固有の融資等)について延滞等の債務不履行があり、解消の見込みがない場合

(3)その他
・税金・社会保険料等を滞納し、完納の見通しが立たない場合

・資金使途が事業資金でない場合(生活資金・住宅資金・投機資金等)

・連鎖販売業(マルチ商法)・霊感商法等、信用保証協会が保証するにふさわしくないと判断する販売形態の場合

・保証申込みについて、暴力団、金融斡旋屋等第三者が介在する場合

医療法人・宗教法人・学校法人は保証を受けられるか

①医療法人は信用保証の対象となるか。精神医学の研究および同診療を主たる事業目的とする財団法人○○診療所はどうか。②宗教法人○○幼稚園とか、学校法人○○学園等の特殊法人は保証対象となるか。

①の医療法人ならびに財団法人は、中小企業信用保険法2条1項に規定された中小企業者の範囲のうち、「その他の法人=医業を主たる事業とする法人」に該当し、従業員300人以下の法人であれば保証の対象となる。また、②の宗教法人および学校法人は、同法上の中小企業者として規定されていないので保証の対象とはならない。

従業員数などに制限
保証協会の保証対象となるには、中小企業信用保険法に規定されている「中小企業者」であることが原則となる。

(1)医療法人
通常、病院、診療所あるいは医学、薬学研究所等は、業種的には医業、歯科医業(医師または歯科医師としての資格を有するものが、医療法に基づいて行う医療行為または歯科医療行為業=いずれも研究所を含む)に属するので、サービス業として従業員規制50人以下の適用となる。しかし、従業員が300人以下の医療法人の場合は、別途中小企業信用保険法上規定されている「医業を主たる事業とする法人であって、常時使用する従業員の数が300人以下のもの」に該当し、中小企業者となるため、保証の対象となる。また、財団法人や社会福祉法人であっても、医業を主たる事業としていれば、当該法人は、中小企業信用保険法上の「医業を主たる事業とする法人」に該当し保証の対象となる。なお、出資金総額についての制限はない。

(1)宗教法人・学校法人等
宗教法人および学校法人は、中小企業信用保険法上の中小企業者である「会社、組合、医業を主たる事業とする法人その他の法人」に含まれない法人なので、保証の対象とすることはできない。ただし、それらの法人ではなく、個人の設置する幼稚園、専修学校、各種学校(例えば洋裁学校、料理学校、タイピスト学校等)および特殊教育諸学校(例えば盲学校、ろう学校、養護学校)で、学校教育法上の認可を受けているものは、学校教育事業として保証の対象とされている。

信用保証協会の保証を利用できる中小企業者等とは

信用保証協会の保証を利用するときの申込業者の企業規模・業種・住所等に制限はあるか。

信用保証協会の保証を利用するには、信用保証協会が管轄する業務区域内において、保証対象業種を営む中小企業者等であることが必要である。

ほとんどの中小企業が信用保証協会の保証を利用できる
(1)規模要件
資本金または常時使用する従業員数のいずれか一方が次に該当すれば保証の対象となる。なお、個人事業主の場合は、常時使用する従業員数が該当すれば保証の対象となる。なお、上記の規模を超える企業であっても、次に該当する場合には、破綻金融機関と取引があることを前提に「中堅企業特別保証制度」を利用できる場合がある。

(2)業種要件
信用保証協会の保証の対象となる業種は、中小企業信用保険法で定められた業種を基本としている。農林漁業や金融業等め一部の業種を除き、一般にいう商工業のほとんどが対象となる。なお、営業するにあたって監督官庁の許認可等が必要となる業種については、当該許認可等を受けていることが必要となる。

(3)区域要件
信用保証協会が管轄する都道府県、市内において事業を行っていることを要する。

①法人の場合:信用保証協会の区域内に本店または事業所を有するもの
②個人の場合:住居または事業所のいずれかが信用保証協会の区域内にあるもの

法人の場合、本店登記や支店登記の有無にかかわらず、信用保証協会が管轄する業務区域内において事業を行っているものが対象となる。よって、本店は単なる登記上の所在地で事業実態は別の場所にあるような場合は、本店登記地を管轄する信用保証協会で保証を受けることはできない。個人の場合、住居とは単に住民登録しているだけではなく、原則として現に居住していることが必要となる。なお、信用保証協会の管轄する区域内で事業を行っていることの確認は、実際に工場や事務所等を構えて営業していることを確認する他に、法人税・事業税・住民税等の納税状況も確認のうえ、総合的に判断する。

ページ移動