記事一覧

信用保証協会の保証債務履行の範囲

信用保証協会の金融機関に対する保証債務履行の範囲はどこまでか。

信用保証協会が金融機関に対して履行する保証債務の範囲は、主たる債務に未収利息および最終履行期限(期限の利益喪失日を含む)後120日以内を限度とした貸付利率と同率の遅延損害金を加えた額が限度である。

不履行債権額の負担
通常、保証人は、主たる債務のほか、利息金額および違約金・損害賠償その他すべてのものについて、保証の責を負うとされている(民法447条1項)。しかし、信用保証協会の場合は、特約(約定書例6条2項)により、保証債務の履行の範囲について特別の定めをしている。すなわち、主たる債務の元金残額および未収利息それに最終履行期限(期限の利益喪失日を含む)後120日(90日または60日としている信用保証協会もある)以内の遅延損害金を加えた額を限度としている。

遅延損害金については、前述のように支払範囲が限定されているため、保証債務の履行期が最終履行期限後120日以上経過した時点で行われたとしても、特段の事情がない限り、原則として120 日分の遅延損害金しか支払われないことになっている。よって、金融機関は、冷却期間(最終履行期限後90日とする信用保証協会が大部分)が経過したときは、すみやかに代位弁済請求の手続をとらないと遅延損害金は120日内で打切られることとなる。

また、金融機関は債務者との特約で、貸付利率よりも高い率で遅延損害金を定めているのが通常であるが、信用保証協会の場合は、その約定遅延損害金利率にかかわらず、貸付利率と同率で計算した遅延損害金を代位弁済することとなっている(約定書例6条3項)。なお、貸付利率の変更があった場合は、特段の事情がない限り変更後の貸付利率をもって遅延損害金を計算する。以上めように、信用保証債務の範囲は限定されているため、遅延損害金のうち代位弁済されない部分あるいは費用等代位弁済の対象とならないものについては、金融機関は別途回収措置を講じることが必要となる。