記事一覧

責任共有制度とはどのようなものか

責任共有制度とはどのようなものか。
平成17年6月の中小企業政策審議会基本政策部会「信用補完制度のあり方に関するとりまとめ」において、信用保証協会と金融機関との適切な責任共有の必要性が指摘され、平成19年10月以降、それまで原則として全部保証で取扱っていたものを、原則として貸付金額の2割相当額を金融機関が負う形態へと変更した。この形態を「責任共有制度」とよぶ。

原則として貸付金額の2割相当額を金融機関が負担
信用保証協会の行う保証は、一部を除いて原則として100%保証により取扱うてきた。中小企業基本法の規定により設置された、中小企業政策審議会基本政策部会「信用補完制度のあり方に関する検討小委員会」において、信用補完制度の実態と課題について多面的に検討を行い、「信用補完制度のあり方に関するとりまとめ」という形で、平成17年6月に報告がなされた。その中の重点項目として、「信用保証協会と金融機関との責任分担に基づく効果的な中小企業支援体制の確立」について、中小企業庁を中心に金融機関、信用保証協会、中小企業金融公庫(現、日本政策金融公庫)、全国信用保証協会連合会等関係者間で、実現に向けた検討、調整が行われ、平成19年10月から実施されることになったものである。

(1)具体的方式
世界各国での導入例をあげると、部分保証制度(金融機関が行う融資額の一定割合を保証する制度)が適当としながらも、単純な部分保証の拡大は、金融機関も適切な債権管理に係るコストを増大させることなどから、中小企業者、特に零細企業の資金調達に与える影響を考慮し、「部分保証方式」、または金融機関が部分保証方式と同等の責任分担を行う「負担金方式」のいずれかを金融機関が選択することが適当とされた。方式の変更については原則として合併等やむを得ない場合に認められている。

(2)部分保証方式             
個別の融資金額に対して80%の割合を保証協会が保証するものである。読んで字のごとく、1つの債権を保証部分(80%)と非保証部分(20%)の割合により融資を行うもので、保証協会が代位弁済をする前は不可分であるが、保証協会が代位弁済を行うと保証部分について求償権を取得することになる。金融機関は非保証部分について、プロパー債権として管理することとなり、第三者への譲渡等については手続的には信用保証協会の事前承諾が必要となるが、基本的に金融機関の判断で行うことが可能となる。

(3)負担金方式
責任共有制度導入前と同様に、保証協会は融資金額の100%を保証するが、一定期間における当該金融機関の保証利用実績に応じた負担金を金融機関が納付する方式である。具体的には、当該金融機関の保証債務平均残高に過去の代位弁済発生率を乗じることで、当該期に生じる損失を推計し、これに金融機関の負担割合である20%乗じて、当該金融機関の負担すぺき額を算出する方式である。

(4)保証料
負担金方式の場合、表面上100%保証であるが、金融機関が一定の信用リスクを共有することで保証協会が負担する信用リスクは減少することから、その分中小企業者が負担する保証料は100%保証に比べ軽減されている。部分保証についても保証割合に応じて保証料は計算されるため、負担金方式同様、保証料は軽減される。

(5)責任共有制度対象除外制度
円滑な制度導入の観点から、政策色が強く金融機関ではリスクを取ることが困難だと予想される一部保証については、当面の間、一部の保証を責任共有制度の対象から除外している。具体的には以下の保証になる。
①経営安定関連1~6号に係る保証(セーフティネット保証)
②災害関係保証
③創業関連保証および創業等関連保証(再挑戦支援保証を含む)
④特別小口保険に係る保証
⑤事業再生保険に係る保証
⑥小口零細企業保証制度に係る保証
⑦求償権消滅保証
⑧中堅企業特別保証制度に係る保証